導入|介護が始まる前にできること
年齢を重ねると、できないことが少しずつ増えていきます。
それは、とても自然なことです。
でも私は、
できなくなってから抱えて支えるだけが正解ではないと思っています。
自力でできる時間を、できるだけ長く保つ。
そのために、身の回りの環境を整えるという選択があります。
すべてを一気に変える必要はありません。
「最近、ちょっと大変そうだな」と感じたところからで十分です。
なぜ「身の回りのもの」を見直すことが大切なのか
シニア期に入ると、体力や筋力、バランス感覚は
気づかないうちに少しずつ落ちていきます。
それでも、
無理をしながら「できている」状態を続けていると、
ある日を境に、できていたことが一気に難しくなることもあります。
道具を使うことは、甘やかしではありません。
助けすぎないための補助です。
環境で支えてあげることで、
その子が“自分でできる”時間を守ることができます。
見直したい身の回りのもの①
高さ調節ができる食器
床に顔を近づけて食べる姿勢は、
首や腰に思っている以上の負担がかかります。

- 食べるのに時間がかかる
- 食後に疲れている
- 前かがみがつらそう
こんなサインが出てきたら、
食器の高さを少し見直してみてください。
いきなり大きく変えなくても大丈夫。
ほんの数センチ高くするだけでも、食事が楽になる子は多いです。
見直したい身の回りのもの②
胸・首への負担が少ないハーネス
シニアになると、首輪が負担になる子も増えてきます。
- 咳が出やすくなった
- ゼーゼーしやすい
- 引っ張りが強くなった
こんな変化があれば、
胸全体で支えられるハーネスを検討してみるのも一つです。
「散歩がつらそうだからやめる」前に、
道具を変えるという選択肢があることを、
頭の片隅に置いておいてほしいと思います。
【実例】我が家のまろの場合|できることを少しずつ
我が家のまろは、年齢とともに気管支がとても弱くなり、
咳き込むことが多くなってきました。
現在は病院で先生に相談し、
気管支を広げるお薬を処方してもらっています。
それと同時に、
家でもできることはないかを考えるようになりました。
まず見直したのが、散歩のときの負担です。
首や喉に力がかかりやすい首輪をやめ、
喉への圧迫が少ないハーネスに変更しました。
また、食事の姿勢も負担になっていないか気になり、
食器を床に直接置くのではなく、
台の上に置いて高さを少し高くしています。
特に我が家は寒冷地のため、
気温が低く、冷たい空気を吸い込むことで
この時期は咳が出やすくなるそうです。
だからこそ、
「完璧に何かを防ぐ」ことはできなくても、
少しでも負担を減らせる工夫を重ねることを大切にしています。
見直したい身の回りのもの③
体圧分散ができて起き上がりやすい寝床
シニア犬は、寝ている時間が長くなります。
だからこそ、寝床の影響はとても大きいです。
- 固すぎない
- 沈みすぎない
- 起き上がるときに踏ん張れる
この3つがポイント。
寝返りが打ちにくそうだったり、
起き上がるときにためらう様子があれば、
寝床を見直すタイミングかもしれません。
見直したい身の回りのもの④
段差解消(ステップ・スロープ)
ソファや椅子に飛び乗る子ほど、注意が必要です。
「まだ自分で上れるから大丈夫」
それは、負担がないという意味ではありません。
段差を減らすことで、
関節や腰への負担を大きく減らせます。
自力で上り下りできる環境を残すことが、
長く動ける体を守ることにつながります。
見直したい身の回りのもの⑤
滑りにくい床・マット
滑る床は、シニア犬にとって大きなストレスです。
- 踏ん張れない
- 立ち上がるのが怖くなる
- 動くのをためらうようになる
これが続くと、
筋力低下が一気に進んでしまうこともあります。
すべての床に敷く必要はありません。
よく歩く場所だけで十分です。
すべてを揃えなくていい
ここまで読んで、
「全部用意しなきゃ」と感じる必要はありません。
年齢も体格も性格も違います。
必要なものは、その子その子で違って当然です。
- 今、少し困っていること
- 最近変わってきたこと
そこから一つずつ見直していけば大丈夫。
合わなければ、やめてもいい。
その子のペースを尊重することが一番大切です。
まとめ|助けすぎないために、整えておく
抱っこや介護が悪いわけではありません。
でも、自力でできる時間は、何よりの財産です。
身の回りのものを見直すことは、
「できなくなってからの対処」ではなく、
できる時間を守るための、やさしい準備。
今日から一つ、
気になるところを観察して見直してみる。
それだけでも、愛犬の毎日は少し楽になると思います。

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