「最近、うちの子の背中の骨が少し浮いてきた気がする…」
「ごはんの食いつきが悪くなった…」
シニア期のわんこを育てていると、そんな変化に気づく瞬間があります。
年齢を重ねるにつれて、体の代謝や消化吸収の力は少しずつ落ちていきます。
体重の減少は、自然な老化の一部である場合もありますが、
中には病気やストレスが隠れていることもあるため、慎重に見極めることが大切です。
なぜ老犬は痩せてしまうのか
老犬の体重減少には、さまざまな原因があります。
まずは「なぜ痩せるのか」を理解することで、正しい対策が見えてきます。
🔹 加齢による筋肉量の減少
年齢とともに基礎代謝が落ち、筋肉が自然に減少していきます。
特に運動量が減ると、下半身や背中の筋肉が落ちやすくなり、
「痩せてきた」と感じることがあります。
🔹 消化・吸収力の低下
胃腸の働きがゆるやかになり、食べた栄養を十分に吸収できなくなることも。
いつも通りの量を食べていても、栄養がうまく取り込めずに体重が減ってしまうことがあります。
🔹 食欲の低下
嗅覚や味覚の衰え、口腔内の痛み(歯石・歯肉炎など)、
または軽い脱水でも、食欲は下がります。
季節の変化やストレスが影響しているケースも少なくありません。
🔹 病気による体重減少
腎臓・肝臓・甲状腺・糖尿病・腫瘍など、
シニア犬に多い病気が原因で、体重が落ちることもあります。
特に「急激に痩せた」「食べているのに痩せる」場合は、早めの受診を。
体調の変化を見逃さないためのチェックポイント
老犬の体重減少は、見た目だけでは分かりにくいこともあります。
次のようなサインを定期的に観察しましょう。
- 背骨や肋骨が浮き出てきた
- 被毛がパサつく、毛づやがなくなる
- 食欲が落ちた/ごはんを残すようになった
- 水を飲む量が増えた・減った
- 排便・排尿の量や色が変化した
- 以前より動きがゆっくりになった

我が家の最初の子も、年齢を重ねるにつれて少しずつ体調の変化が見られるようになり、体重が減少していきました。
まず、水を飲む量が増え、次第に排尿の色が変わり、食欲が落ち、そして被毛のつやもなくなっていきました。
これらの変化がゆっくりと現れていったのを、今でもはっきり覚えています。
これらの小さな変化は、体のSOSのサインです。
週に一度でも、体重を測って記録しておくと、変化にすぐ気づけます。
食事でできる体重減少対策
食事は「栄養をとること」だけでなく、「生きる楽しみ」でもあります。
老犬にとって食べやすく、おいしく、負担の少ないごはんを工夫してあげましょう。
🔸 消化の良い高たんぱくメニューにする
筋肉の維持には良質なたんぱく質が欠かせません。
鶏むね肉・白身魚・卵などを中心に、加熱して細かくほぐしてあげると消化がスムーズです。
ドライフードの場合は、
「高齢犬用」「低脂肪ではなく高たんぱくタイプ」を選びましょう。
🔸 ごはんの香りと温度を工夫する
食欲を引き出すには“香り”が鍵。
少し温めることで香りが立ち、食いつきが良くなることがあります。
電子レンジで数秒温めたり、煮汁を少し加えるのもおすすめです。
🔸 スープごはんで水分と栄養を一緒に
加齢により喉の渇きを感じにくくなるため、水分不足も体重減少の一因です。
鶏肉のゆで汁や野菜スープを加えて“食べながら水分をとる”工夫をしてみましょう。
🔸 少量を数回に分ける
一度にたくさん食べるのが負担になる子には、
朝・夕の2回を3〜4回に分けると食べやすくなります。
食後の胃もたれを防ぎ、安定したカロリー摂取につながります。
食べない時の工夫とサポート
それでも食欲が落ちている時は、焦らずに“きっかけ”を作ることが大切です。
- 手で少しずつ与える
- 食器の高さを変える(首や腰への負担軽減)
- 食材を変えずに「切り方」「柔らかさ」を工夫
- 食事場所を静かに落ち着ける空間にする
食べないときは「無理に食べさせる」よりも、
「どうすれば安心して食べられるか」を考えてあげることがポイントです。
栄養を補うサポート食やトッピング
体重減少が続く場合は、栄養を補うトッピングや補助食品も検討しましょう。
- ヤギミルク(エネルギー補給・水分摂取)
- MCTオイル(中鎖脂肪酸で素早くエネルギーに)
- シニア犬用栄養スープ・ペーストタイプ補助食
- 無糖ヨーグルト(腸内環境を整え、吸収力を高める)
関連記事:シニア犬と腸活〜腸内環境を整えて毎日を元気に過ごすコツ〜
ただし、脂肪分が多すぎると下痢や膵臓への負担になることもあるため、
少量から始め、様子を見ながら調整します。

我が家では、毎日のごはんに腸活を意識して取り入れています。
無糖ヨーグルトや納豆を少量ずつ与えることで、腸内環境のバランスを整えるようにしています。そのおかげで便の状態も安定しており、今のところとても元気に過ごしています。
軽い運動で筋肉を保つ
体重維持に欠かせないのが「動くこと」。
筋肉が衰えると、さらに代謝が落ちて痩せやすくなります。
お散歩は短時間でもOK。
無理のない範囲で、毎日少しずつ歩くことが大切です。
体を動かすことで食欲も刺激され、消化も促されます。
こんな時は病院へ相談を
次のような症状がある場合は、早めに獣医師に相談しましょう。
- 2〜3週間で急激に体重が減った
- 食欲がない日が3日以上続く
- 水を大量に飲む、または極端に減った
- 嘔吐・下痢・便の色の変化がある
- 元気がなく、呼びかけに反応が鈍い
体重減少は、腎臓・肝臓・甲状腺・歯や口腔のトラブルなど、
複数の要因が絡むことがあります。
血液検査やエコー検査で原因を特定してもらいましょう。
まとめ|焦らず、ゆっくりと体調を見守る
老犬の体重減少は、すぐに結果が出るものではありません。
焦らず、少しずつ“食べられる工夫”を積み重ねることが大切です。
「昨日より少し食べた」
「今日はスープを完食した」
そんな小さな変化を見逃さず、褒めてあげましょう。
そして、無理に元の体重に戻そうとせず、
その子にとって心地よい“今の健康ライン”を見つけてあげることが何よりのケアです。
毎日のごはんと小さな笑顔の積み重ねが、
シニア犬の穏やかな暮らしを支えてくれるはずです


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