はじめに
「最近うちの子、なんだか様子が違うかも?」
そんな小さな違和感を覚えたとき、飼い主さんがいち早く気づけることが、愛犬の健康や暮らしやすさを守る大切な一歩になります。
シニア犬の認知症(犬の認知機能不全症候群:CCD)は、特別な病気というよりも「年齢とともに増えてくる心と体の変化」です。早めに気づいて工夫をしてあげれば、穏やかで安心した日々を長く続けることができます。
今回は、家庭でできる簡単な認知症チェックと、飼い主さんが実践できるサポート方法についてまとめました。
シニア犬の認知症とは?
犬の認知症は、人間の認知症と似たような症状が見られることがあります。
たとえば――

- 昼夜が逆転して夜中に落ち着かなくなる
- 同じところをグルグル歩き回る
- トイレの失敗が増える
- 飼い主さんを認識しにくくなる
こうした症状が見られたら「老化の一部かな?」と考えてしまうかもしれませんが、実は認知症によるサインの可能性があります。
家庭でできるセルフチェックリスト
「病院に行く前に、家庭でできる観察法が知りたい」という方のために、簡単に確認できるチェックポイントをご紹介します。
1. 行動の変化
- 夜中に起きて鳴く、徘徊する
- 同じ動きを繰り返す
- 狭い所に入って後退できない
2. 記憶・学習の変化
- トイレの場所を忘れる
- 今までできていた「おすわり」や「待て」ができなくなる
- 名前を呼んでも反応が鈍くなる
3. 感情の変化
- 飼い主さんがそばにいても不安そうに鳴く
- 逆に甘えん坊になって離れなくなる
- 今まで大丈夫だった音や来客を怖がる
4. 日常生活の変化
- 食欲が安定しない(食べすぎ・食べない)特に食べすぎてしまう子が多いようです
- 水を大量に飲むようになる
- 昼夜逆転し、昼間にぐっすり寝て夜に活動する
👉 このような変化が 1つでも気になる場合 は、体調日記に記録し、動物病院で相談すると安心です。
お散歩仲間さんの事例
我が家のシニア犬達にはまだ認知症を疑うような行動はありません。でも年齢的にいつその行動が起こってもおかしくないと感じています。
近所に住んでいたお散歩仲間の柴犬さんは14歳で認知症の診断を受けました
飼い主さんからお聞きした話ですが一番困ったのが室内の徘徊だったそうです。お仕事でお家を空けることもあり柴犬さんだけをお家に残して出かけます。帰宅すると家具と家具の間に挟まり身動きが取れなくなっていたことがあったそうです。
それからは大きめの円形サークルを用意しその中に入れて外出するようにした所、その後は怪我をすることもなく過ごせたとのことでした。
こうした小さな工夫はやはり飼い主さんの日々の観察から生まれるものと感じます。
飼い主にできるサポート方法
認知症と診断されても、飼い主さんの工夫次第で日常はぐっと快適になります。
1. 安心できる環境づくり
- たくさん話しかける
→普段からコミュニケーションをとると、頭も気持ちも活性化します - 家具の隙間を塞ぐ
→歩行障害がある場合、家具の隙間に挟まり後退出来なくなることを防ぎます - 決まった寝床を用意する
→常に家族が集う場所に居場所を作ってあげると良いでしょう
2. 規則正しい生活
- 毎日の散歩は時間をそろえる
→さらに散歩に刺激(周囲の匂いをゆっくり嗅ぐ・他のワンコとの交流など)を加えGood! - 食事の時間を一定にする
→体内時計を整える効果が期待できます - 運動やスキンシップで安心感を与える
→飼い主さんとのスキンシップは脳を刺激します
3. サプリメントや療法食の活用
- DHAやEPAを含むサプリメント
- 認知症ケア用の療法食
👉 これらは必ず獣医師に相談して取り入れるのがおすすめです。
まとめ
シニア犬の認知症は、「年齢だから仕方ない」と片付けてしまうのではなく、 家庭での小さな観察 が早期発見につながります。
- 家庭でできる簡単チェックリストで毎日観察する
- 気づいた変化がある場合は体調日記にメモする
- 少しでも不安を感じたら病院へ相談
こうした流れを習慣にすることで、愛犬と一緒に安心して穏やかなシニアライフを過ごすことができます。
内部リンク
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