愛犬がシニア期に入ると、少しずつ「介護」という言葉が現実味を帯びてきます。まだ元気に見えても、関節や足腰に負担が出たり、寝ている時間が増えたりと、年齢とともに小さな変化が現れるものです。そんな時に役立つのが、犬用の介護グッズです。
とはいえ、「犬の介護グッズ」と一口に言っても、ベッドやハーネス、サポーター、マットなど種類が豊富で、どれを選べば良いか迷ってしまいますよね。この記事では、私自身が4頭のシニア犬と暮らす中で実際に使ってきた経験を交えながら、介護グッズの選び方を詳しくご紹介します。
犬の介護グッズを選ぶときの基本ポイント
介護グッズは見た目や宣伝文句だけで選ぶのではなく、以下の3つのポイントを基準にすると失敗が少なくなります。
- 安全性:素材が硬すぎたり、体に余計な負担をかけないかどうか
- 清潔さ:洗えるかどうか、手入れのしやすさ
- 犬の性格や体調に合うか:嫌がらずに受け入れられるか
たとえば、滑り止めマットひとつでも「厚みがあって歩きやすいタイプ」や「簡単に拭き掃除できるタイプ」があり、暮らし方に合ったものを選ぶと快適さが変わります。
実体験:前足サポーターが床ずれ予防に役立った
私が実際に「これは買ってよかった!」と思ったのが、前足の関節を保護するサポーターです。最初は関節炎による痛みや冷え対策のために使い始めましたが、予想以上に役立ったのが床ずれの予防でした。
シニア犬は寝ている時間が増えると、関節部分に体重がかかり、赤くなったり床ずれを起こしやすくなります。サポーターを装着すると圧力が分散され、皮膚のダメージが軽減されました。結果的に、床ずれが悪化せずに済んだのです。
犬の介護で役立つ主要グッズと選び方
1. 犬用介護ベッド
シニア犬の快適な生活に欠かせないのが介護用ベッドです。ポイントは「低反発で体圧を分散してくれること」と「防水加工やカバーが洗えること」。床ずれ防止マットレスのような機能を持つベッドを選ぶと、清潔さと快適さを両立できます。
2. 滑り止めマット
加齢とともに足腰が弱くなると、フローリングで滑って転倒しやすくなります。滑り止めマットは転倒防止だけでなく、関節への負担を軽減する効果もあります。部分敷きよりも、広範囲に敷くほうが安心です。
3. 歩行補助ハーネス
後ろ足が弱ってきたときに役立つのが歩行補助ハーネスです。体を持ち上げるサポートができるため、散歩や排泄の際にとても便利です。ポイントは「犬の体格に合ったサイズを選ぶこと」と「持ち手が長く飼い主が腰を痛めにくいものを選ぶこと」です。
4. サポーター・介護ウェア
関節の保護や床ずれ防止に役立つのがサポーターや介護ウェアです。冬場の冷え対策としても効果があり、思っている以上に活躍します。我が家では特に前足サポーターが効果的でした。
5. 介護用食器・給水器
首や腰に負担をかけないために、高さ調整ができる食器台や、飲みやすい給水器を準備しておくのもおすすめです。食欲や水分摂取量を維持するために、食器の形状は意外と重要です。
犬の性格に合わせたグッズ選びも大切
介護グッズは「必要だから」といって無理やり使うと、犬が嫌がって逆にストレスになることもあります。たとえばサポーターが苦手な子には、冷え対策としてブランケットやマットを工夫するなど、代替案を用意してあげましょう。
また、最初からフルセットをそろえるのではなく、症状に合わせて少しずつ取り入れていく方が無駄がありません。
まとめ
犬の介護グッズは「これがあれば絶対安心」というものではなく、愛犬の体調や性格に合わせて選ぶことが大切です。選ぶ際の基本は次の3つです。
- 安全性が高く、清潔に使えること
- 犬の体や心に負担をかけないこと
- 飼い主にとっても扱いやすいこと
実際に我が家では前足用サポーターが床ずれ防止に役立つという嬉しい発見がありました。このように、「使ってみてわかったこと」がたくさんあります。
大切なのは、無理なく取り入れながら「やっておいて良かった」と思える環境を整えることです。シニア犬との暮らしは、工夫次第でぐっと快適に、そして穏やかに過ごせます。
ぜひ愛犬に合った介護グッズを選び、安心できるシニアライフを一緒に作っていきましょう。
👉 次回は 【犬の介護にかかる負担とその乗り越え方】についてです。


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