はじめに
「最近、うちの子が水をたくさん飲むようになった…」
そんな時、飼い主さんとしては心配になりますよね。シニア犬になると体の変化が表れやすくなり、水をよく飲むのもそのひとつです。
もちろん、季節や食事内容による一時的な変化の場合もありますが、実は 病気のサイン のこともあるんです。今回は、老犬が水をよく飲む理由や病気の可能性、飼い主さんができる観察と対応についてまとめました。
老犬が水をよく飲むのはなぜ?
犬が水を多く飲む原因には、大きく分けて 生理的なもの と 病気によるもの があります。
一時的・生理的な原因
- 夏の暑さや運動による喉の渇き
- ドライフードやおやつの塩分
- 暖房で室内が乾燥している
こうした場合は一時的で、数日すれば落ち着くことが多いです。
病気による原因
一方で、以下のような病気のサインである可能性もあります。
- 腎臓病:老犬に多い病気で、多飲多尿が代表的な症状です。
- 糖尿病:血糖値がコントロールできず、水をたくさん飲みたがるようになります。
- クッシング症候群:副腎ホルモンの異常で、多飲・多尿・お腹の膨らみなどが見られます。
- 子宮蓄膿症(♀):発情後に発症することがあり、大量の水を飲むようになります。
我が家の例
我が家の先住犬にも、「多飲多尿」 の症状がありました。
最初は「ただ喉が渇いているのだろう」と思い、あまり気にも留めていませんでした。
しかし、1回に300ml以上、1日に1000mlを超える水 を飲むようになり、さらに 尿の色も通常の黄色から透明へと変化 していったのです。
この変化にはさすがにおかしいと感じ、動物病院を受診したところ、腎臓の病気 との診断でした。
このように 「あれ?何か変?」 という小さな気づきが、病気の早期発見につながることがあります。
日々の観察は飼い主さんにしかできない大切な役割です。
👉 少しでも不安を感じたら「様子を見よう」ではなく、早めに病院で相談すること をおすすめします。
観察のポイント
「ただの飲みすぎ」なのか「病気のサイン」なのかを見分けるには、飼い主の観察が大切です。
- 1日にどのくらい水を飲んでいるかを測る
- 排尿の回数や量をチェック
- 食欲・体重・元気の有無を記録する
我が家では、簡単な 体調日記 をつけるようにしました。小さな変化でも後から振り返ると「病院に行くタイミング」がわかりやすくなります。
受診の目安
次のような状態が数日続く場合は、早めに動物病院で相談しましょう。
- 水を1日に 体重1kgあたり100ml以上 飲んでいる
(例:10kgの犬で1ℓ以上) - おしっこの回数・量が急に増えた
- 食欲不振や体重減少がある
- 元気がなく、ぐったりしている
飼い主さんにできるサポート
病院に行くまでの間も、飼い主さんにできることがあります。
- 新鮮な水を常に用意する(水を制限するのは逆効果)
- トイレを増やす(失敗を減らして犬のストレスも軽減)
- 床をすべりにくくする(シニア犬は排泄中に転びやすい)
ちょっとした環境改善で、わんちゃんも飼い主さんもぐっと楽になります。
🚰 水についての注意
意外に知られていないことですが、犬に与える水は 水道水で十分安全 です。
「体に良さそうだから」と ミネラルウォーターを与える方 もいますが、ここには注意が必要です。
- 硬水(カルシウムやマグネシウムが多い水) は、腎臓や泌尿器に負担をかけることがあります。特にシニア犬や腎臓にトラブルを抱えている子には不向きです。
- 日本の水道水は基準が厳しく、犬が飲んでも基本的に問題はありません。
どうしても塩素臭が気になる場合は、浄水器を通した水 や 一度沸かして冷ました水 を与えると安心です。我が家では一度沸かして冷ました水を与えています。
👉 大切なのは「水の種類」よりも 常に新鮮で清潔な水を用意してあげること です。
まとめ
老犬が水をよく飲むとき、それは 体のサイン かもしれません。
- 季節や食事による一時的なものの場合もある
- 腎臓病や糖尿病などの病気のこともある
- 飼い主の観察と体調日記が診察に役立つ
「気のせいかな」と見過ごさず、早めの相談で愛犬の負担を減らしてあげましょう。
✅ 次回は 「老犬の口腔ケア」 について、我が家の実体験も交えながらお話しします。


コメント