犬がシニア期に入ると、体力や筋力の低下に伴って免疫力も少しずつ落ちていきます。若い頃はすぐ治っていたちょっとした体調不良が長引くようになったり、季節の変わり目に疲れが出やすくなったり…。
「少しでも元気に、穏やかに過ごしてほしい」
飼い主さんなら誰でもそう思いますよね。
我が家も同じです。現在8歳〜13歳の4頭と暮らしていますが、年齢とともに変わる体調を日々感じています。特に13歳組のまろとごろうは、以前より疲れやすくなり、季節の変わり目には体調管理に気をつけるようになりました。だからこそ、“無理のない免疫ケア”を日常に取り入れることが大切なんだなと実感しています。
今回は、難しいことは抜きにして——
「シニア犬でも無理なくできる免疫力アップ」
をテーマに、今日からできる簡単な習慣と、食事で取り入れやすいレシピをご紹介します。
シニア犬はなぜ免疫力が下がるの?
犬も人と同じように、年齢を重ねると体のさまざまな機能がゆっくり低下していきます。
● 消化力が落ちる
消化に時間がかかるようになり、腸の働きも弱くなります。腸は免疫を支える大切な臓器なので、腸の元気はそのまま免疫にも影響します。
● 運動量の低下
運動が減ると筋力が落ち、代謝が下がりやすくなります。筋肉は体温維持にも必要で、体温が低下すると免疫も弱まりやすくなります。
● 体温が下がりやすい
冷えると血流が悪くなり、免疫細胞が働きにくくなります。
● ストレス増加
視力・聴力の低下や環境の変化に敏感になり、ストレスがかかりやすくなることも免疫にはマイナスです。
こうした複数の要因が重なることで、「シニア犬は免疫力が落ちやすい」と言われるのです。
今日からできる!シニア犬の免疫力を上げる生活習慣
“ゆっくり散歩”を続ける
激しい運動は必要ありません。
シニア犬は 「短く・ゆっくり・好きなペースで」 が基本。
我が家のまろとごろうは散歩が大好きで、クン活が何よりの楽しみ。
クン活は脳の刺激にもなり、精神的満足もあるため、とても良い免疫ケアになります。

質の良い睡眠を確保する
シニア犬は日中よく寝ますが「深く眠れているか」がポイント。
- ふかふかより“体が沈まない”ベッド
- 足腰に優しい高さ
- 寝る前の軽いスキンシップ
などで安心して眠れる環境を整えてあげましょう。
関連記事:シニア犬にとって大切な「眠りの時間」
体を冷やさない
特に冬場、シニア犬は冷えやすくなります。
冷えは免疫低下に直結するため、
- ベッドを床から少し浮かせる
- 冷たい場所を避ける
- お腹を冷やさない寝具
などが効果的。
関連記事:老犬の冷え対策|体を温めて元気を守る冬のホームケア
ストレスを減らす
ストレスは免疫を一気に下げる原因になります。
生活ルーティンを変えすぎないのはもちろん、
シニア犬は「いつも通り」が安心につながります。
関連記事:シニア犬のストレスサインを見抜く方法〜体と心が出す小さな声に気づくために〜
毎日の“軽い刺激”を作る
興奮しすぎは負担になりますが、
軽い刺激は認知症予防&免疫アップにとても効果的。
- 声をかける
- ゆっくり撫でる
- 新しい匂いを嗅がせる
- 少しだけ新しい道を歩く
など、無理のない範囲で。
関連記事:シニア犬の遊びと心のリフレッシュ|毎日をもっと楽しくする工夫
食事でできる免疫ケア
食事は免疫を作る大切な要素です。
シニア犬におすすめの食材をご紹介します。
● 鶏むね肉
低脂肪で消化しやすく、たんぱく質が豊富。
● 鮭(サーモン)
オメガ3脂肪酸が豊富で、抗炎症作用・皮膚の健康にも良い。
● かぼちゃ・さつまいも
食物繊維とβカロテンが多く、腸と免疫にやさしい。
● ブロッコリー
抗酸化作用があり、ビタミンも豊富。
● きのこ類
βグルカンが免疫をサポート。少量を細かくして使う。
● 発酵食品(少量)
腸に良い働き。入れすぎ注意で“ほんの少し”。
関連記事:シニア犬と腸活〜腸内環境を整えて毎日を元気に過ごすコツ〜
シニア犬でも食べやすい!免疫UP簡単レシピ
鶏むね肉と野菜のポカポカスープ
材料(1食)
- 鶏むね肉 50〜70g
- にんじん 適量
- かぼちゃ または さつまいも
- ブロッコリー少量
- 水 200ml
作り方
① 材料を小さく刻む
② 鶏むね肉と野菜を水で煮る
③ 全体が柔らかくなったら完成
※ 柔らかく煮ることでシニア犬でも食べやすい!
鮭のほぐし混ぜご飯(消化しやすい)
材料
- 焼き鮭(塩なし) 30〜40g
- さつまいも 少量
- 白米またはフード
作り方
① 鮭をよく焼いて骨を取り除く
② さつまいもを柔らかく茹でる
③ フードまたはご飯に混ぜるだけ
→ ほんのり甘くて食いつき抜群。
きのこ出汁の免疫スープ(トッピング用)
材料
- えのき・舞茸など少量
- 水 300ml
作り方
① きのこを細かく刻む
② 弱火でじっくり煮て出汁をとる
③ 出汁だけ少量フードにかける
→ βグルカンで免疫サポート。
→ 出しすぎ注意、最初はスプーン1杯から。
手作りご飯の注意点
- 塩分・味付け不要
- 初めての食材は少量から
- 栄養バランスは必ずフードと併用する
- アレルギーのある子は細心の注意を
市販フードでもできる免疫ケア
手作りが難しい日でもできる工夫があります。
- 良質なオメガ3オイルを小さじ1
- ブロッコリースプラウトを細かくして少量
- きのこ出汁をスプーン1杯
- 乾燥納豆をほんの少し
無理なく続けることが大切です。
まとめ:小さな積み重ねが、シニア犬の免疫力を守る
免疫力は“一気に上げる”ものではなく、
毎日の少しずつの積み重ねで守るもの。
- ゆっくり散歩
- 質の良い睡眠
- ストレスを減らす
- 体を冷やさない
- 軽い刺激を与える
- 食事で腸と体を整える
すべてが「今日からできること」です。
我が家の4頭を見ていても、特別なことではなく、
“ちょっとした工夫”を丁寧に続けるだけで体調が安定する
と感じています。
シニア犬のためにできることは、まだたくさんあります。
焦らず、無理せず、愛犬のペースに寄り添いながら、
穏やかな毎日を一緒に重ねていけますように。


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