シニア犬の介護をしていると、「これって何かで代用できないかな?」と思う場面が多々あります。専用グッズは便利ですが、すべてを揃えるのはコスト面でも大変。実は、身近なアイテムをちょっと工夫するだけで、十分に役立つことがあるんです。今回は、家庭で手軽に使える代用グッズとその活用法をご紹介します。
ドレッシングボトル・洗浄ボトルで水分補給をサポート
高齢になると自力で水を飲むのが難しくなることがあります。そんなときに便利なのが、100円ショップやホームセンターで手に入る ドレッシングボトル。
- 使い方
口の小さいボトルにお水やスープを入れて、少しずつ口元に注ぎます。誤嚥を防ぎながら飲ませられるので安心です。
また、医療用で使うような 洗浄ボトル も便利。ノズルが自在に曲がり押すと水が出る仕組みなので、寝たきりの子でも力加減を調整しながら飲ませられます。
動物介護ではシリンジを多く使用しますが状況に応じてドレッシングボトルも併用すると楽に水を飲ませることができる場合があります。
粘着包帯(自着包帯)で足や体をサポート
動物病院でもよく使われるのが 粘着包帯(自着性バンテージ)。普通の包帯と違ってテープが不要で、くっつくのは自分自身だけなので、毛に絡まらないのが特徴です。

- 用途例
- 足の関節を軽く固定してあげる
- 床ずれ防止パッドの固定に使う
- ケガの保護
介護中は何かと包帯を使う機会が多いので、家庭に常備しておくと便利です。
風船を足カバーにして保護
意外と役立つのが ゴム風船。お散歩のとき、肉球に傷や炎症がある場合に即席の足カバーとして活用できます。

- 使い方
風船をカットして筒状にし、足にかぶせて固定します。雨の日やケガの保護にぴったり。
ただし長時間の使用は蒸れの原因になるので、あくまで一時的な利用がおすすめです。
人間用オムツの活用
犬用オムツもありますが、実は 人間用の赤ちゃんオムツや介護用オムツ を代用することもできます。

- メリット
- コストが比較的安い
- 吸水力が強い
- サイズ展開が豊富
- 使い方
しっぽ用の穴をハサミで開けガムテープなどで穴を補強するだけでOK。夜間や長時間外出時の安心グッズになります。
タオル・バスタオルは万能選手
身近なタオルは介護グッズとして大活躍します。

- 体を支えて移動するときの補助
- ベッドやマットの上に敷いて清潔を保つ
- 排泄の後にサッと拭き取る
特にバスタオルは、簡易スリングとしてお腹の下に通して持ち上げるのにも便利です。
ペットシーツの下に防水シートを敷く
老犬介護で必須なのが 防水対策。ペットシーツだけだと漏れてしまうこともあります。そんな時は、ホームセンターで売られている 防水シーツやレジャーシート が活躍します。
寝床やトイレの周りに敷くだけで、掃除の負担がグッと減ります。洗えるタイプを選べば経済的にも◎。
介護用クッションの代わりに抱き枕や座布団
床ずれ防止や姿勢保持には介護用クッションが便利ですが、代わりに 抱き枕や座布団 でも十分活用できます。

- 体を横向きにしたときに抱き枕を沿わせる
- 関節の下に座布団を置いて圧迫を和らげる
形を工夫すれば、専用グッズでなくても対応可能です。
プチプチと粘着包帯で作るドーナツ枕
局部(足首・ほお・肩・腰・かかと)の床ずれ防止対策に便利なドーナツ枕 梱包用のプチプチと粘着包帯で手作りできます。
ドーナツ状に切った(真ん中の穴は大きめに空ける)プチプチを4〜5枚重ね粘着包帯でぐるっと一周巻きつけると出来上がりです。
身近なグッズ活用の注意点
代用できるものはたくさんありますが、注意点もあります。
- 誤飲や誤食の危険がないか
- 通気性や清潔を保てるか
- 長時間使用で蒸れや擦れが出ないか
必ずペットの様子を観察しながら取り入れてください。
まとめ
老犬介護に必要なグッズは、必ずしも高価な専用品だけではありません。
- ドレッシングボトルや洗浄ボトルで水分補給
- 粘着包帯で体を保護
- 風船で足カバー
- 人間用オムツで排泄サポート
- タオル・防水シート・抱き枕で環境整備
- プチプチと粘着包帯で作るドーナツ枕
こうした工夫は、飼い主さんの負担を減らしながら、ペットにとっても快適な介護環境をつくる助けになります。
大切なのは「無理せず工夫すること」。あなたのご家庭でも「これなら使えるかも」というアイデアをぜひ取り入れてみてくださいね。
参考著書:老犬生活(高橋書店)
犬と猫の老齢介護エキスパートブック(インターズー)


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