シニア犬と暮らしていると、以前は当たり前だったことが、少しずつ特別に感じられるようになります。
自分の足で散歩へ行くこと。
ご飯をおいしそうに食べること。
安心して眠ること。
我が家には、まめ、まり、ごろうがいます。みんなシニア世代です。そしてこれまでに、虎鉄とまろを見送ってきました。
介護という言葉を聞くと、何か特別な準備や難しい知識が必要なように感じるかもしれません。私も最初はそう思っていました。
でも振り返ってみると、我が家で大切だったのは、立派な正解を探すことよりも、その子の「いつも」を知り、変化があれば少しずつ暮らし方を変えていくことでした。
この記事では、虎鉄やまろとの経験、そして今も続くシニア犬たちとの毎日の中で、私が大切にしていることをまとめます。
介護は、ある日突然始まるものではなかった
「今日から介護が始まります」と、はっきり境目が分かるわけではありませんでした。
寝ている時間が少し増えた。
散歩の歩く速さが変わった。
ご飯を食べるのに時間がかかるようになった。
そんな小さな変化が重なって、気がつけば以前と同じようにはできないことが増えていました。
虎鉄やまろの介護をしていた頃の私は、先のことを考える余裕がなく、とにかくその日の様子を見ることで精いっぱいでした。
だから今、まめ、まり、ごろうを見ていても、「年だから仕方ない」と急いで決めつけないようにしています。変化が続く時や、ほかにも気になる様子がある時には、かかりつけの先生へ相談する。そのためにも、まずは普段の姿をよく知っておきたいと思っています。
→ シニア犬を病院へ連れて行く前に|我が家がメモしている「いつもと違う」こと
「できること」を、その日の様子に合わせて続ける
シニア犬との暮らしでは、昨日できたことが今日も同じようにできるとは限りません。
ごろうは14歳を過ぎても散歩が大好きで、時にはこちらが驚くほど元気に歩きます。一方で、まめは動き出すまでゆっくりな日があります。まりは散歩では元気でも、ご飯を食べる速さが以前と変わってきました。
同じ「シニア犬」でも、変化の現れ方は本当にそれぞれです。
だから我が家では、「去年と同じ距離を歩けるか」よりも、「今日の散歩を楽しめたか」を大切にしています。元気なら少し歩く。疲れていそうなら短くする。行きたくなさそうなら無理をしない。
できなくなったことだけを見るのではなく、その日にできることを、その子のペースで続けていく。それが今の私たちには合っているようです。
→ 14歳を過ぎても散歩が大好き|シニア犬ごろうを見て思う「自分の足で歩く」ということ
→ 同じシニア犬でも変化はそれぞれ|まめ・まり・ごろうの年の重ね方
食べることと、眠ることを大切にする
シニア犬と暮らす中で、食べることと眠ることは、以前よりずっと気になるようになりました。
ごろうが夏にご飯を残すことが増えた時は、体調だけではなく、量やトッピング、味が続いていないかも含めて様子を見ました。いろいろ試した末に、今のごろうには、同じものが続かないよう味を変える工夫が合っているようです。
もちろん、食べない理由を「好み」だけだと決めつけることはできません。食欲が落ちた状態が続く、体重が減る、元気がないなどの変化があれば、早めに先生へ相談します。
そして、よく眠る犬たちを見ていると、安心して休める場所を用意することも大切だと感じます。私が仕事をしている足元で、犬たちがそれぞれ気持ちよさそうに眠っている。そんな何でもない時間が、今はとても大事です。
→ シニア犬の食欲に波がある時|ごろうが喜んだ「味を変える」工夫
→ よく眠るようになったシニア犬たち|安心して眠れる毎日を守ってあげたい
ひとりで全部を抱え込まない
まろの介護を終えた今になって、あの頃の私は、自分で思っていた以上に疲れていたのだと思います。
食事、排泄、通院、夜中のお世話。愛犬のことが心配で、自分の疲れを後回しにしてしまうこともあります。
でも、飼い主が限界まで疲れてしまったら、介護そのものを続けるのが難しくなります。
家族に様子を伝えておく。友人に話を聞いてもらう。必要なら、動物病院やペットシッターなど外部の助けを借りる。すべてを一人でやらなければならないわけではないと、今は思います。
頼ることは、愛犬を大切にしていないことではありません。愛犬との時間を続けていくために必要なこともある。まろを見送った今、私はそう感じています。
→ まろを見送った今、介護をしていた私に伝えたいこと|一人で抱え込まないために
まだ元気な今だからできる準備もある
今いる犬たちが元気にしているからこそ、最近は「もし私がお世話をできなくなったら」ということも考えるようになりました。
毎日のご飯の量、散歩のこと、かかりつけの動物病院、薬、苦手なこと。普段お世話をしている人には当たり前でも、家族には分からないことが意外と多くあります。
最初から完璧な引き継ぎノートを作らなくてもいい。まずはご飯表を一枚つくる。病院の連絡先を残す。頼れる先を少し探しておく。そのくらいから始めても、いざという時の安心は変わると思います。
→ もし明日、私が入院したら犬たちはどうなる?|家族と共有しておきたい犬のお世話
→ もし私が犬たちのお世話をできなくなったら|家族以外の「頼り先」を探し始めました
今のその子と、一緒に暮らしていく
シニア犬との暮らしに、これさえすれば大丈夫という正解はないのだと思います。
犬の年齢、体の状態、性格、家庭の環境はそれぞれ違います。我が家でうまくいっていることが、すべての犬に合うわけでもありません。
それでも、毎日よく見ること。気になる変化は先生に相談すること。無理をさせないこと。そして飼い主自身も一人で抱え込まないこと。
そんな小さな積み重ねが、犬たちとの穏やかな毎日をつくっていくのかもしれません。
今日もご飯を食べて、散歩をして、眠る。
その普通の一日を、これからも大切にしていきたいと思います。
この記事について
この記事は、我が家での経験をもとにしたシニア犬との暮らしの記録です。食欲や歩き方、眠り方などに気になる変化がある場合は、自己判断で様子を見続けず、かかりつけの獣医師へご相談ください。


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