愛犬がシニア期に入ると、少しずつ介護が必要になる場面が増えてきます。
介護と聞くと「大変そう」「私にできるかな?」と不安になる方も多いでしょう。
確かに、犬の介護には 身体的・精神的・経済的な負担 が伴います。
しかし、その負担を理解して準備し、小さな工夫を取り入れることで、飼い主もペットもより穏やかな時間を過ごすことができます。
この記事では、ペット介護で直面する3つの負担と、その乗り越え方についてご紹介します。
1. 身体的な負担とその対策
● 負担の実態
高齢犬は筋力が落ち、自分で立ち上がることや歩くことが難しくなります。
そのため、飼い主が体を支えたり、排泄を補助したりする必要が出てきます。
さらに、動物病院への通院や重たいフード・介護用品の買い出しも体力を消耗します。
特に飼い主自身が高齢の場合、体への負担はより大きくなります。
● 乗り越え方
- 介護グッズを活用する
歩行補助ハーネスや滑り止めマットなどを取り入れると、力仕事が減り、介護がぐっと楽になります。 - 小分けで作業する
食事や散歩、排泄の介助などは一度にまとめてやろうとせず、無理のないスケジュールを組むことが大切です。 - 家族や周囲と協力する
一人で抱え込まず、家族や友人、地域のペットシッターに協力をお願いしましょう。
2. 精神的な負担とその対策
● 負担の実態
介護期の犬を見守る中で、飼い主は 不安・ストレス・孤独感 を感じることがあります。
- 愛犬の老化や病気の進行を目の当たりにする辛さ
- 夜鳴きや徘徊による睡眠不足
- 「自分はちゃんとできているのか」というプレッシャー
こうした積み重ねが心の疲労につながります。
● 乗り越え方
- 体調日記をつける
小さな変化を記録することで、「できること」を確認でき、安心につながります。 - 同じ立場の人とつながる
SNSやブログ、地域のコミュニティで同じように介護をしている飼い主と交流すると、「自分だけじゃない」と感じられます。 - 完璧を目指さない
「今日はこれができたからOK」と思うことが大切です。飼い主の心の健康が、ペットの安心にもつながります。
3. 経済的な負担とその対策
● 負担の実態
シニア犬になると医療費や介護用品の出費が増えます。
- 犬の年間診療費は、1歳時で約5万円 → 15歳では約24万円に増加(アニコム調べ)
- サプリメントや療法食、介護用品の費用も積み重なります
- 老犬ホームやペットシッターを利用すると月額3万〜5万円以上かかることもあります
● 乗り越え方
- 早めに積立を始める
ペット保険だけではカバーできない部分が多いため、若いうちから「ペット貯金」をしておくと安心です。 - 在宅介護を基本にする
可能な範囲で自宅で介護し、必要な時だけ外部サービスを利用する「ハイブリッド介護」が経済的負担を軽くします。 - 費用を比較する
同じ介護用品でも通販や量販店で価格差が大きい場合があります。口コミやレビューを参考に、コストと機能のバランスを見極めましょう。
4. 負担を軽くする3つの心構え
- 小さな工夫で大きな違いが生まれる
踏み台やサポーターなど、ちょっとしたアイテムで犬の生活がぐっと快適になります。 - 飼い主もケアの対象
心身の健康を守ることが、愛犬を守ることにつながります。 - 「できないこと」より「まだできること」に目を向ける
老化は自然なこと。悲観するよりも「今日も一緒に散歩できたね」と喜べる視点を大切にしましょう。
まとめ
犬の介護は確かに 身体的・精神的・経済的な負担 を伴います。
しかし、それを理解して準備し、工夫やサポートを取り入れることで、負担は大きく減らすことができます。
- グッズやサービスを取り入れて身体的な負担を軽減
- 記録や交流で精神的な支えを得る
- 計画的な備えで経済的な不安を和らげる
大切なのは、飼い主が無理をしすぎず、愛犬と穏やかに時間を過ごせることです。
ペット介護は決して「大変なだけの時間」ではありません。むしろ、これまで以上に絆を深め、愛情を実感できる貴重な時間になります。
👉 次回の記事では、【介護期に見られる心と身体の変化】をご紹介します。


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